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色校正

    印刷をする前に確認する作業を「校正」といいます。

    誤字脱字等をチェックする「文字校正」や、依頼主が指定した色が再現されているかをチェックする「色校正」があります。

    この「色校正」は、加瀬澤製版が担う工程の一つです。

    お客様のイメージする色と、実際に刷り上がった色が一致するよう、印刷機や印刷用紙の特性を考慮して色のバランスや濃淡などを調整する作業です。印刷見本を出力し(校正刷り、プルーフ、ゲラなどと呼びます)、デザインデータとのすり合わせを行います。

    色校正には「本機校正」「平台校正」「デジタル簡易校正」などの方法があります。

    印刷時に色の基準となるカラーパッチ

    本機校正

    本番と同じ印刷機・インクと印刷用紙を使う方法です。

    最も正確に色を確認できますが、ロスが多い方法です。本番の印刷と同じように製版をする必要があり、校正戻りが発生した場合には手間暇がかかります。また、校正刷りの間印刷機を占有するため、印刷機の稼働時間が減ってしまいます。本機は印刷スピードが早いため少部数の印刷が難しく、使われるインクや印刷用紙の無駄が多くなってしまうデメリットもあります。

    実際に印刷機を稼働させるためコストも割高ですが、正確性の求められる印刷物や、刷り直しが困難な大部数の印刷物の校正に用いられます。

    オフセット印刷機の写真
    オフセット印刷機

    平台校正

    専用の平台校正機で、実際に使うインクや印刷用紙を用いて行う校正方法です。

    本番と同じように特殊印刷紙や特殊インキでの校正が可能です。しかし、簡易校正と違って製版が必要なため、ある程度の時間やコストがかかります。また、本機印刷とは印刷方式(送り速度や紙にかかる圧力など)が違うため、本機校正より色再現の精度は劣ります

    本機と同様、カラーマネジメントはオペレーターの技術と対応力に依存するところがあります。

    デジタル簡易校正

    デジタルデータから、印刷用紙に直接プリントする方法です。校正のための製版をする必要がないためスピーディーかつ低コストなのが特徴です。

    ただ、印刷方式や用紙が異なるため、本機・本紙での印刷とは仕上がりの色や風合いにギャップが出る場合があります。

    色校正専用の出力機で専用のドナーフィルムやインクを使って印刷する方法や、インクジェットプリンターで校正専用紙に印刷する方法などがあります。

    DDCPと呼ばれる簡易校正機は、安定的かつ効率的に校正のできる方法です。ドナーフィルムを使うため色ムラが少ないこと、本紙に印刷できること、網点などを実際の印刷物に近い形にして出力できることから、多くの印刷・製版業者が利用してきました。しかし近年機械の製造をやめるメーカーが相次いでおり、対応に苦慮しています。

    校正機の写真
    簡易校正機

    近年の傾向

    弊社は、飲食物や化粧品などのパッケージ(包装)印刷を多く手がけています。パッケージはいわば商品の「顔」。特に色の印象は売り上げに影響しやすいため、包装印刷では緻密な色校正が不可欠です。

    しかし印刷物全体では、色校正があまり重視されなくなっているのが現状です。最もシェアの大きい商業印刷(チラシや雑誌、パンフレットなど)においては特に、スピードとコストダウンが色の正確さより優先される傾向があります。

    色校正に強い加瀬澤製版

    とはいえ、色校正は単純にデータ通りの色を再現するだけの作業ではありません。食べ物ならより美味しそうに、化粧品ならより綺麗に見えるように色を補正して、印刷されたもののコンセプトを伝わりやすくしたり、魅力や価値を上げたりすることも含まれます。

    実はこれこそが加瀬澤製版の強みです。

    写真製版からスタートして、色補正やカラーマッチングの技術を磨き上げると同時に、多くの取引先の所有する印刷機の特性をデータとして蓄積してきました。

    その知識・技術と経験を活かし、今後もお客様のイメージのさらに上を目指していきたいと思います!

    色補正をしていないワンプレートランチの写真
    色校正をする前の写真
    色補正をしたワンプレートランチの写真
    色校正をした後の写真