色分解したそれぞれの色の画像は、細かい点(網点)の集まりで構成されています。
この印刷用の網点を作る工程を「スクリーニング」といいます。出力メディアや印刷の用途などに応じて、点の大きさや形状を調整します。
スクリーン線数
網点の大きさを「線数」といい、1インチ(約2.54cm)の中にいくつの網点があるかを表します。
線数が大きくなるほど点が小さくなり、画像も緻密に再現されます。線数×2の数値が、おおよその解像度です。つまり175線≒350dpiとなります。
適切な線数はインクや出力メディアによって異なります。素材の性質を考慮して、データイメージが違和感なく再現できるよう調整します。
スクリーニングの種類
網点の形状は円、正方形、線など様々で、出力メディアや用途などによって適切なものを選択します。
スクリーニングの方式には、「AMスクリーニング」と「FMスクリーニング」の2種類があります。
AMスクリーニング
AMスクリーニング(Amplitude Modulation screening)は、同じ形の網点が規則的に並んでいて、それぞれの網点の大きさで濃淡が表現されます。
印刷の安定性が高いことから、長くスタンダードとして使われてきた方式です。凹凸のあるメディアにもきれいに印刷できるメリットもあります。
ただ、網点の重なりによって「モアレ」と呼ばれる干渉縞が生じたり、網点が大きく(つまり色が濃く)なるとグラデーションがうまく再現されない「トーンジャンプ」が起こったりします。
これらが起こらないよう、網点の角度(スクリーン角度)やコントラストなどを調整するのも、製版では大事な工程です。
FMスクリーニング
FMスクリーニング(Frequency Modulation screening)は、「マイクロドット」と呼ばれる均一な大きさの網点が不規則に並んでいて、網点の密度で濃淡が表現されます。
モアレが発生せず、グラデーションが滑らかなのが特徴。高精細でクリアな再現に優れており、データイメージに近い出力が可能です。網点がランダムだとインクの乗らない部分が目立ちにくくなり濃く見えるため、インク量を抑えてコストダウンできるメリットもあります。
AMスクリーニングに比べて、印刷の品質管理が難しい、ムラやざらつきが出やすい等の理由であまり普及していませんでした。しかし近年は印刷技術や資材の品質の向上により、安定的に出力ができるようになっています。
特に、弊社で使用しているCTPは、データからフィルムなどの中間メディアを介さず直接プレートに焼き付けができるため、出力のギャップを抑えやすくなります。